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自分が作った料理をお客様が食べて喜んでくれる反応がダイレクトにわかる嬉しさ
―富岳 弘賢 料理長
飲食業界に飛び込んだきっかけはプロを目指してたダーツができる場所を求めて。その時はこんなに調理にのめり込むとは思っていなかったと言う富岳氏(以下ヒロタカさん)は現在、弊社の『大衆酒場かね子』業態の調料理長を努める。
前職のダーツバーにて初めて調理を経験。もともとダーツが出来ればどんな仕事でも、という気持ちで働き始めたお店で調理を担当することに。この時の体験が人生の転機になる。
『興味があって始めたわけではなく、流れで調理始めたんですが。そこから調理にのめり込んでしまいまして……失敗しました(笑)』
そう笑顔で調理を始めたきっかけを語るヒロタカさんは、だんだんと他のジャンルの料理も知りたいと思うように。

お客様が食べた時の反応がわかる距離感。
知人だった弊社社員を介しGCCPに入社。
ダーツバーは洋食に近いジャンルだったが、全くフィールドの違う大衆酒場という業態を生業とする弊社を選んだのには理由があった。
『大衆酒場特有の距離の近さが良くて。自分が作った料理をお客様が食べて喜んでくれる反応がダイレクトにわかる嬉しさというか』
フロアが見渡せるオープンキッチン、声筒抜けのカウンター、隣と近いテーブル配置、導線ギリギリにせり出す丸椅子、ドラマなどで見られる所謂『レストラン』とは真逆を行くTHE大衆的なレイアウトによって生まれるお客様との『距離感』が面白いと語る。

あ、仕事したいんだなって思った
飲食店は仕込みが早く、閉店が遅いという現実がつきもの。もちろん業界全体でシフトや休日の改善がされている昨今でも決して短い就労時間とは言えない業界。数年前に病を抱え完治した後も、過酷な世界に戻ってきたのは何故だろうか?
『病気になる前はいっぱいやりたいことがありました。病気になってからは何が本当にやりたいことかを考えるようになって……自分は働きたいって思ったんですよ。残された時間の中でやりたいことが他にあれば他のことやってたと思うんですけど、そんなことなくて。お休みいただいている時も店の売り上げが気になっていたし、あ、仕事したいんだなって思ったんですよ』
ライフワークバランスやワーカホリックなどの言葉が市民権を得て長くなる。
しかし仕事がメディテーションになる人がいるのも事実だ。もちろん全員に当てはまることではないし、環境に左右されるのも事実。

若い人たちも希望を持ってほしい。
誰とでも分け隔てなく、同じ目線でコミュニケーションをとるヒロタカさんは年齢を問わず従業員からの信頼が厚い。『年齢はおじさんなんで喋りに出ちゃいますが(笑)。自分の肩書は全く気にしてなくて、感性が全然違う若い子とも話すと新鮮なんですよね。年齢や役職関係なくリスペクトもって対等な気持ちで付き合っていればいつも新鮮で楽しい気持ちで働いていけると思ってて。』
後輩思いな姿勢は調理長としての今後の展望にも反映されている。
『調理って技術や知識を学ぶのにすごく時間がかかるんですよね。一生懸命やればやるほど時間外で動かなくちゃいけなかったりで調理が嫌になってしまう若者も多くて。だからもっと現場の環境などを整えて調理指導や学びに使える時間を就業時間内に増やしてあげたい。そこで調理をもっと好きになってもらって、若い人たちの可能性が広がって希望が持てたらすごくいいと思うんですよね。もちろんGCCPにいてほしいけど、違う場所で活躍してもいいし。』
調理の世界では『専門的な知識を学校で学んだあとに飲食店に入り経験を積む人』と『未経験から飲食店に入り実践で学ぶ人』の大まかに二通りがある。後者のルートで若いうちから調理を始めたわけではないというヒロタカさんは知識や技術的な部分でつらい経験をしたこともあったという。そんな経験を乗り越えてきたからこそ教えられる自分なりの方法がある。今日も調理長として現場に立ち、お客様の喜ぶ料理つくりと未来の大衆酒場文化を担う人材の育成に取り組んでいる。
STAFF
TEXT: Masami Wakasa
PHOTO: Yuta Kobayashi
September, 2026